私は理念という言葉をよく使います。理念とスキーム、現実対応型経営者ではなく理念追求型経営者・・・などのようにです。
理念には2種類あり、いつも区別して使用しています。
この区別はドイツの哲学者、イマヌエル・カント(1724~1804)起点の理論であり、異端児でもあったカントは極端な主張(白人至上主義や反ユダヤ主義等)もあり評価は分かれますが、コペルニクス的転回に代表される認識論は傾聴に値します。
余談ですが、彼はドイツ人らしくルーティン好きでありPDCAの達人であったことに注目しています。
理念の話しに戻します。
一つ目は統制的理念です。
この考え方は実現可能性が低いと思われがちなものを究極の目標として標榜し求心力をステークホルダーも巻き込みながら高めて息の長い活動をする際に使用しています。
分かり易い例としては、『核なき世界』や『イデオロギーや宗教間の争いのない人間関係』などが挙げられます。
二つ目の構成的理念は、現実の社会・経済・文化等から積み上がった理念とも言えます。つまり、ボトムアップの意思決定プロセスと類似しています。
(企業で言えば)課題を抽出した後のソリューションにエビデンスとして実現可能性・事業の魅力度・持続可能な収益性等を提示しながら『株主やステークホルダーの同意』を取り付ける際に使用する理念構成となります。
ここで留意すべきは、2つの理念を連結させることが大きな事業・プロジェクトを成功させる肝になることです。
誤解を恐れず大胆に申し上げると、【統制的理念≒目指すべき姿】であり【構成的理念≒あるべき姿】とも言えます。この2つの理念をworkさせる連結ピン役は《にじみ出る言葉と行動》です。美辞麗句や正解は統制的理念では通用しても構成的理念では陳腐となります。一方でデータや財務4表の提示だけでは構成的理念は機能しても統制的理念の訴求力は弱ります。
言葉や表情からにじみ出る感情があり、その感情が相手に伝われば相手の気持ちの変化や感動を呼び、感動が生まれれば第3者へ伝播し、最後には波動として大きなムーブメントへ繋がることを失敗から学んでいる成功者は皆知っています。
The colors of the rainbow,So pretty in the sky.
Are also on the faces,Of people going by,
I see friends shaking hands,Saying, “How do you do?”
They’re really saying,
“I love you.”